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2011年5月

世界一平和な国、アイスランド(Global Peace Index 2011)

活発な火山活動にも関わらず、経済平和研究所(Institute for Economics and Peace)はアイスランドを2011年の世界一平和な国とランク付けしました。(2011.5.27発表)

発表された世界平和指数(Global Peace Index)は毎年計算され、G8サミット開催に合わせて発表しています。

Globalpeaceindex2011

アイスランドは2008年の銀行破たんの前まではトップを飾っていましたが、なべやフライパンをたたき鳴らして蜂起した「なべかま革命」が起きて政府が倒れたのを受けて4位に転落していました。

アイスランドの後には、ニュージーランド、日本、デンマーク、チェコ、おオーストリア、フィンランド、カナダ、ノルウェー、スロベニアが続いています。

反対に北朝鮮、アフガニスタン、スーダン、イラク、ソマリアは最も平和ではない国にランクされています。

平和指数の計算は23の項目に基づいて行われ、軍事費から犯罪率、隣国との紛争などもすべて計算されるとのこと。

Icesave問題はあまり問題にならなかったみたいですね。

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アイスランド火山噴火は何処へ?

110522grimsvotn_eruption 先週末2011年5月21日に噴火が始まり、どーんと高度20キロまで火山灰を吹き上げたアイスランドの火山グリムスボトン(Grímsvötn )の噴火は、見る見るうちに小さくなり現在水蒸気とわずかに河口付近に火山灰を撒き散らすほどの規模になった。氷河が解けて引き起こされる洪水の心配もなさそうだ。

いったいあれはなんだったのだろうか。

専門家はグリムスボトン火山の噴火は間違いなく1947年に噴火したヘクラ山の噴火以来の最大の噴火で、最初の24時間で噴き上げた噴出物は昨年のエイヤフィヤトラヨークトルが40日間で発生した火山灰や火山弾の量を上回ったという。またこの噴火の規模は通常のカトラ火山の噴火と同じ規模に当たるという。

なーんだ。カトラ山ってこんなものか。

110523grimsvotn_ash2          雷とともに吹き上がる火山灰(2011.5.23)

いやいや、ここで終わったからありがたいのである。
今回の火山灰を調査すると、エイヤフィヤトラヨークトル噴火の火山灰ほどではないが粒子が細かいという。50から60パーセントの火山灰は微細火山灰の規定の60マイクロメートル以下のであることがわかっている。
火山灰は軽く、何日も空中に存在する可能性がある。健康保護の規制値は火山灰のサンプルによっても異なるが、10マイクロメートルまでで、今回の含有率は5から10パーセント。ちなみエイヤフィヤトラヨークトルの火山灰は20パーセントを超えていた。

とはいえ火山灰はほとんどが玄武岩でケイ素の割合はそれほど高くないが、「このタイプの灰は飛行機のエンジンに取り込まれると解け、エンジンのより温度が低いところでは固まるので、エンジンの故障を引き起こしかねない」、という専門家の話である。

結構やっかいだ。

今回の火山灰は、最初の24時間で噴出された火山灰はいったんグリーンランド方向に流れたが、もう一度戻ってきてヨーロッパやイギリス方面に流れている。いまごろドイツあたりらしい。

そんな噴火だったから、イギリスのウェブサイトの一コマ風刺漫画では、ビジネスマンが噴火する火山を見上げているところで、地面に突き刺したコックを閉めているアイスランド人に「よし、このへんで少し閉めといてやろう。しかし、もし借金の返済の話をまた持ちだそうものなら・・・」と言わせている。

そういえば去年も噴火はアイスセーブ法案が国民投票で御破算になったあとだった。あのときは「欲しいといったのはcash(お金)でash(灰)ではない」と言うジョークが巷を苦笑させていた。

この噴火もあとで笑い話になればよいが、この火山灰で牧草地の被害は結構出ているようだ。

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アイスランドの新たな火山(Grímsvötn)噴火始まる

アイスランドの火山がまたもや噴火!
こんどは Grímsvötn (グリームスボトン)というバトナ氷河の火山です。(読み易くてよかった~)

2011年5月21日土曜日の17:30(現地時間)に噴火が始まり、21:00ごろには頂上の氷河を突き抜けて火山灰が高度20キロメートルに達し、アイスランドの空に広がっていきました。

110522grimsvotn_eruption

今回の噴火はここ100年でもっとも大きな噴火となったようで、昨年のEyjafjallajökull(エイヤフィヤトラヨークトル)の噴火よりもマグマの量も火山灰の量も多く、アイスランドのいたるところに飛び散っています。

翌朝7:00には地元のキルキュバイヤルクロイストゥル(Kirkjubæjarklaustur)が視界ゼロ、真っ暗になり(この時期のアイスランドはとっても明るいはずなのです)14:00くらいまで出歩けなかったとか。

その噴煙は遠くフーサビクでも観察できたとのこと。アクレイリにも灰は到達し、レイキャビクには20:00ごろに観測されたとのことです。

この影響で22日はケプラビーク国際空港の閉鎖が決まりました。

この火山は60年から80年周期で活発に活動する期間と、あまり活発でない期間(閑静期)とを繰り返しています。この閑静期では1998年、2004年のように小規模な噴火を周期的に起こすが、3回から4回に一度は今回のような大きな噴火をするといいます。想定内とはいうものの、さすがに今回の火山灰の高さには驚いているようです。

火山灰は21日には高度20キロまで吹き上げられましたが、22日朝には15キロメートルになり、夕方にはすでに前回の噴火と同レベルの10から11キロメートルまで下がっています。火山灰の飛散は何日も続かないだろうと予想されますが、そこは自然のなせる業。

(追記)ただし今回の噴火の火山灰は昨年のエイヤフィヤトラヨークトルのものよりも重いので、昨年のように高く舞い上がって問題をおこすものではないだろうということです。

110522grimsvotn_eruption2      高々と吹き上げられ四散する火山灰

220522darkness1      火山灰であたりは真っ暗闇に

220522darkness2      家畜の上にも火山灰は降り積もり

220522darkness3_2 牧場は家畜の屋内退避を急ぐ(Iceland Review掲載ビデオはこちら

火山灰には汚染物質などは含まれていませんが、部屋の窓やドアはしっかり締め切ることが勧められています。それでも火山灰は入り込んでくると言うので、厄介なものです。

ちなみに、この火山は昨年の噴火とは独立した活動をしていて、もちろん多くの方が恐れるカトラ山の噴火とも連動してはいませんのでご安心を。

あらためてアイスランドのみなさん、お見舞い申し上げます。

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アイスランドの魂の詩人、ハトルグリームル・ピエトルソン

ハトルグリームル・ピエトルソン(Hallgrímur Pétursson (1614-1674)はアイスランド国民からもっとも慕われている17世紀の牧師であり詩人です。その知られていない作品がスウェーデンの古い写本の中から発見されたと言うことでニュースになっていた。

レイキャビクを訪れたら誰でも目にするあの強烈に目立つロケットのような丘の上の教会、ハトルグリムスキルキャ(Hallgrímskirkja)が、この方の名前にちなんで命名されたことを知れば、どのくらい愛されているのかよくわかる。070830hallgch

ハトルグリームルを有名にしているのは「受難の歌」(Passíusálmar ーう さぉるまる、英語でHymns of Passionという50篇からなる聖歌で、彼が牧師在職中の1656年から1659年にキリストのゲッセマネの園から墓に葬られるまでの道行きを瞑想しながら詠ったもの。

アイスランド文学の歴史には2つの頂点があるといわれ、一つはニャルスサーガ(Njáll’s Saga)でもう一つがこの「受難の歌」。

アイスランドは話し合いによってキリスト教に改宗した歴史があり、したがって改宗につきものの流血事件もなかった(カソリックからルーテル教会に改宗したときは司教親子が処刑された経緯はあったが)。だからなのか、礼拝の参加者は信徒の10%ほど。熱い信仰の覚醒がないのが熱心なクリスチャンたちの嘆きとなっているようだ。

しかし、イースターをまえにした聖金曜日(Föstudagurinn langi)にはこの「受難の歌」がささげられ、それを聞きに多くのアイスランド人が教会に集う。

歌といってもメロディーもオルガンの伴奏があるわけではない。引導者がこの歌を朗詠するのを会衆はひたすら耳を傾けて聞いているというのである。そして人々はこの歌を通して主の前に頭を垂れ、主の痛みをわが痛みとして、信仰をささげる----

Hall_pass「我が魂、心、思いよ、そしてわが内に見る全てのものよ、蘇れ。主よ、来たりて我を、わが言葉を汝がものとし、主の驚くべき受難を知らしめよ!」“Arise my soul, my heart, my mind, and all that I within me find; Come help me, tongue, my Lord to own and make His wondrous passion known!”----これは「受難の歌」の最初の一節である。 (英語からの翻訳は私の責任でございます)

不謹慎な言い方だが、とってもまじめで悲しい作品なのである。最後の一節は分かれて「Death’s Uncertain Hour(死の不確かな時間)」というお葬式に欠かせない歌となっているというし・・・。

楽しい楽しいクリスマスににわかにクリスチャンが増えるのは日本もそうだから良くわかる。しかし海外ではそれほど知られてはいないというこの「受難の歌」に、聖金曜日の教会が人で埋まり、半旗でキリストに哀悼の意をささげる、というのは、ハトルグリームルの作品へのアイスランド人の強烈な愛情と、彼らの愛国心によるものかもしれない。彼のアイスランド人の信仰の形成への貢献は大きい。

嗚呼、アイスランド人!

(参照:Iceland Review 2011.4.25

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アイスランドに夏が来た~Harpa(ハルパ)レイキャビクコンサートホール&国際会議場オープン! 

Harpa 2011年5月4日、レイキャビクの港に待望のコンサートホール(*)がオープン、アイスランド交響楽団の杮落としの公演に1800名の大ホールEldborg(=火の都市)は完成を祝う観衆でいっぱいになりました。shine

建設が始まったのは2007年1月12日。嗚呼、輝かしいバブリーなアイスランドの黄金時代よ!斬新なデザインのコンサートホールと国際会議場に周辺にホテルやショッピングモールなどを配し、海外からの利用を見込んだ複合施設としてアイスランドの夢を乗せ、2009年完成を目指して建設が進められていました。(この複合施設には破綻したランズバンキの本社が入る予定でしたthink

1reykjavikhall             2007年に公表されていた完成予想図

しかし金融危機で失速、一時は建設を継続するか断念するか揺れました。結局計画縮小で進められ、現在のホールの完成を見ました。

ホールの名称「Harpa(ぱるぱ)」は市民から公募され、応募総数4166の中の55人が推薦した名前。最終選考はもっとも応募数が多かった名前のトップ5の中から当時(2009年12月)の教育文化大臣Katrín Jakobsdóttirとレイキャビク市長Hanna Birna Kristjánsdóttirが決定。お二人とも女性だったんですね。

Harpa(はるぱ)アイスランドでは女の子の名前であり、妖精の代表的名前で(日本で犬といえばポチ、猫と言えばタマと同じかな・・・)アイスランド語で楽器のハープのことですが、なによりもアイスランドの古い暦で最初の夏の月の名前でもあります。このハルパの響きがアイスランドの希望を映したのかもしれませんねぇ。

ところでアイスランドは暦の上ではもう夏!

夏の月「Harpa」の最初の日は「夏の最初の日」としてアイスランドの祝日になっています。夏の最初の日は古いアイスランドの暦では4月の19日から25日の間の木曜日に祝うことになっていて、今年2011年はちょうどイースターの金曜日と同じ4月21日でした。

文化的に(?)夏と冬しかないアイスランドではどれほどこの日がうれしいでしょうか。といっても「春は名のみの」よろしく、けっこう寒くて、言い伝えではこの「夏の最初の日」の前夜に氷が張る(夏と冬が「一緒に凍る」)とよい夏が来ると言われます。

おめでたい日ですから、プレゼントを交換したりご馳走を食べたり、愛を告白したり、集まってサガを読み合わせたり。かつてはクリスマスイブよりも派手にお祝いしたようで、18世紀に支配していたデンマーク当局から禁止されるまで、この異教の祝日にミサまで行っていたようです。もともとキリスト教の裏でこっそり(堂々と?)古い信仰を守ってきた異教のアイスランド(言っちゃった!)、この夏の訪れに対する思い入れは篤いですね。

改めまして、Gleiðilegt sumar!(ぐいでぃれぐと ーまる=夏の最初の日の挨拶)

*ホールの正式名称はHarpa Reykjavík Concert Hall and Conference Centre (アイスランド語ではHarpa Tónlistar- og ráðstefnuhúsið í Reykjavík) アイスランド交響楽団とアイスランド歌劇団のホームとなります。

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