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アイスランド憲法改正へ~アイスランド国民の国家ビジョン

アイスランドでは1944年の独立以来初めてとなる全面的憲法見直しに向けて準備が進められています。ワシントンポストIceland Reviewの記事より紹介します。

アイスランド憲法の経緯
アイスランドの憲法はデンマークから1944年に独立したときデンマークの憲法をいくつかの項目を修正(独立した共和国として、「王」を「大統領」にするなど)して採用していた。だから全面的な改正は議題としてこれまでずっと取り上げられてきた。

2008年の経済の崩壊を機に、その機運は一気に高まった。経済危機の原因が経済の失敗のみならず行政や司法の仕組みにあると国民は考えるようになり、より厳格な憲法の枠組みを求めて一般市民が国会議事堂アルシンギを鍋やフライパンや樽を叩きながら取り囲み、憲法改正を迫った。

今年の春から本格的に憲法改正への準備が始まり、憲法改正を草案する「憲法会議」の代表者をめぐって11月27日に選挙が行われ、立候補した一般市民525人が約30の議席を争った・・・。

新憲法が根ざすべきアイスランド国民の国家ビジョン
101107nationalforum2010 それに先立ち、11月7日、国民会議が開かれ、全国から無作為に選ばれた1000名の一般市民が集まり、憲法改正にむけアイスランド国民が目指す国家のビジョンを話し合った。(写真は国民会議公式サイトより)

参加者は、特に公的機関や官僚・役人・公務員に対して公正さ(honesty)と高潔さ(誠実integrity)を強く求めた。また、倫理道徳がアイスランド社会にもっと密接なものとなることを望み、道徳や倫理を初等教育や公的機関の教育で導入することを求めた。

また、宗教と国家の分離人権の尊重、そして医療と教育の平等な利用を求め、アイスランドは国際協力に加わり、非武装非核地域である平和の提唱者であることを願った。

アイスランドの法律にアイスランドの自然保護のための明確な法制化を求め、アイスランドの天然資源がアイスランドの管理下におかれていることを明確にすることを求めた。また、民主主義がアイスランド社会の強力な力であり、明解な権力の分離と透明性の原理に基づくことを求めた。

この結果はアイスランド国民のビジョンを表すガイドラインとして憲法改正に携わる「憲法会議」に提出される。

注目すべきなのは国民の参加と憲法改正のプロセス。

最終的にはふさわしい人たちが選ばれて起草するのでしょうが、憲法の制定に国民が参加する権利と責任を授けるという、アイスランドの成熟した民主主義のありかたに目を見張るものがあります。日本では一般市民に憲法の起草が任されるチャンスはないでしょうし、大丈夫?って思いになりますよね。

また、国民が願う国家のビジョンや価値観をベースに憲法を定めるということ。当たり前かもしれないけど、大きな国では見えてこないものです。

さらにアイスランド国民は憲法に倫理道徳を求めていること。これってどこの国でも当てはまるとは思えなくて、天晴れ(あっぱれ!)です。経済危機でアイスランドの誇りがずたずたになった猛省の賜物でしょうか。

総じて感じたことは、真の民主主義は真の国民を必要とする、すなわち、良い政治のウラには良い国民の存在がある、ということ。

日本の、変わらなければならないものは何であるか、のヒントがあるような気がします。

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