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2010年1月

極アジサシ~私が愛した渡り鳥

パフィン~愛嬌があって、間抜けそうなのは顔つきだけでなく、タモの一振りで虫採りよろしく捕まえられちゃう要領の悪い愛しいこの渡り鳥は、みんなの人気者。でも今日はもう一つ愛しい渡り鳥のご紹介です。

Arctictern_s_3 アイスランドには数々の渡り鳥が春になると繁殖のために飛来してきます。その中でもひときわ心を引かれる渡り鳥は、極アジサシ。チドリ目カモメ科に属し、学名Sterna paradisaea、英名Arctic tern、アイスランド名Kría(クリーア)。

最新の調査で、アイスランドやグリーンランドで繁殖するこの極アジサシは、一生の間に3回月と地球を往復する距離を飛び、地球上で一番長い距離を飛ぶ動物であることがわかりました。その距離は一年で70,000キロ。 とてもそんな気が遠くなるような距離を飛ぶとは考えられないような小柄で美しく白い端正な体形をしています。

極アジサシはアイスランドには5月ごろ飛来し、海岸や内陸の茂みに巣を作り繁殖をし、8月ごろに南に向って渡って行きます。大西洋の真ん中で1ヶ月ほど過ごし、飛来地を経由しながら一気に飛んで12月に南極の越冬地に到着します。そして春になるとまたやってきます。

Flys
                    極アジサシの飛来経路と考えられる地域。

レイキャビク市庁舎横に広がる池(チョルトニン湖(Tjörnin)というから湖らしい・・・)には白鳥やカモなど様々な種類の渡り鳥が飛来し、シーズンにはよく市民がパンをあげています。極アジサシも池の一番奥の岸辺や小島が営巣地になっているので、子育ての頃には、池でみごとな狩りをする姿を見ることができます。

池の中の獲物の姿をはるか上空から捉えて、一瞬静止したかと思うと、矢のように一直線に池にダイブして、次に水中から舞い上がるときにはちゃんと捕らえた魚をくちばしにくわえています。

その飛ぶ姿をみると、心が大空に舞い上がるような清々しい思いになり、ただ極アジサシたちを見たくて、池まで散歩に出かけたものでした。

気が強くて、巣の近くをうろうろしていると「あんたこんなとこでなにしてんの、ここをどこだとおもってんの、ちょっともうどこかいってよ・・・」とばかりに、と頭上で激しく羽を動かしながら静止飛行して(ヘリコプターみたいに空中でとまって)騒がしく囃したて、うっかり怪しい行動をすると攻撃してきます。なるほどこの気質なら、月まで飛んでいくかもしれない・・・。

その逞しい一途な生きざまを見るとアイスランドの人々とオーバーラップして、静かな青空をいつまでも仰いでいたくなります。

お~い、がんばれよ~、と。S

チョルトニン湖畔で生活する極アジサシたち。後ろはアイスランド大学

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Icesave法案をめぐるアイスランド国民投票、3月6日に実施(IcelandReview)

アイスランドの国民投票の日程が2010年3月6日に決定。海外在住者の投票は1月28日から開始される、と19日法務大臣は発表。

12月30日に議会が可決した改正Icesave(アイスセーブ)法案に対して、本来ほとんど単なる手続きとして行われていた大統領の承認(サイン)の段階で大統領が拒否権を行使。憲法26条にしたがって国民投票によって、議会が可決した法案の是非を問うことになりました。反対多数であれば大統領の判断が国民の意思となり、賛成多数であれば大統領の判断は国民の意思に反していたことになります。この決定がIcesave法案の今後を左右します。

Coins
突然ですが、アイスランドのコインです。今出回っていない貴重なものも・・・

Icesave(アイスセーブ)法案について復習
Icesave法案は、倒産したLandsbanki(ランズバンキ)銀行のインターネットバンキングIcesaveに口座を持っていたイギリスとオランダの預金者(アイスランドの人口と同じ約30万人分)に対して、アイスランドの預金者救済基金ではまかないきれないアイスランドGDPの50% (修正・・ので、イギリス、オランダ政府が貸し付けるお金をアイスランドが借りて預金者を救済し、その返済に対してアイスランド政府が保証をします、という約束をする法案。

大統領が拒否した改正Icesave法案
大統領は8月28日に可決した最初のIcesave法案については合意していたのです。ここにはいくつかの条件が付いていて、その一つはアイスランドが返済する期限は2024年まで(2008年までの経済成長率6%なら返済可能な期間、でもそれって・・・)、それ以降は返済の義務を負わない、もう一つはIcesave預金を後から返済する義務についての法的な権利についていアイスランドが求めることができる、という内容です。

それに対してイギリスとオランダが難色を示し、この2つが取り下げることで両国の合意を得て、新たに議会に提出され12月30日に議会で可決したのが改正Icesave法案です。

大統領は、自分はアイスランドが返済の義務を負わないといっているのではなく、提示された改正Icesave法案に対して反対なのだ。最初は賛成したんだから、国民投票で今回の法案が反対されても、最初の法案は生きているのだから、それに戻ることになる、としている。

国民投票までの政府の動き
しかし、国民投票までに国家間で合意内容を交渉しなおして、もとの法案に戻れば国民投票の必要はなくなるし、それが最善の方法だと議員たちは考えました。

そこで、イギリス、オランダとの交渉再開の打診をし、さらにIMFやEUなどとも交渉をしてきました。しかし、イギリスは頑(かたく)なだし、オランダは政府の支持率が落ちて次の選挙が大変になるからと応じようとせず、どちらも国民投票の様子見をしているところ。

一方、二国を交渉の席に着かせるためにはアイスランド国内で党派を超えて一致した見解を示したいところだが、こちらも話し合いは難航。結局国民投票は、実施が望ましいと考えられていた最終日に設定。今後も話し合いは続いていくものと思います。

いずれにせよ、遅かれ早かれ再交渉は必要で、その場合第三者を立てるのがよいとされています。

国民の意識は?
1月13日のIceland Reviewでは、最近の世論調査で62%がIcesave法案に反対、33%が賛成。1月5~6日の世論調査では過半数がIcesave法案に賛成し、7~8日のものでは、反対に過半数が反対、これは3回目の世論調査で、どうやら国民の世論はIcesave法案に反対で固まってきたようです。でも6割以上はIcesave法案そのものが国民投票前にお流れになればいいと思っているようです。

Icesave問題とアイスランドをめぐって・・・
アイスランド特別検察官のアドバイザーを勤めるEva Jolyはじめ国際法の権威は、国際法には私的銀行の預金者を国が補償しなければならないということはどこにも書いていないし、国が破綻しているんだから要求はムリ、これはヨーロッパ全体の問題、とアイスランドの立場を擁護。

BBCスコットランドの女性キャスター(父親がアイスランド人)は、「イギリス政府はなんでアイスランドに法外な利息(2~3%ではなくて5.5%も!)で返済させようとするのか理解できない」と、自分の私的な意見を公に表明した、として契約違反の懲戒をうけました。

予定通りの調査と融資をアイスランド首相から求められた国際通貨基金(IMF)マネージングディレクター、ドミニク・シュトラス=カーンは、「Icesave法案は融資の条件ではないけれど、IMFが国際委員会によって運営されている限り、そのメンバーがやって欲しいということはするし、やって欲しくないことはしない」と影にやっぱりイギリスやオランダの圧力ありや?!

1月12日からのIceland Reviewのニュースをまとめてみました。(私ってなんてアイスランドを愛しているんだろう!)

とにかくヨハンナ・シグルザルドッテル首相もオウラブル大統領も、アイスランドは国際的な義務を果たす、と明言しています。誇り高きアイスランド人よ、最良の道が開けますように!

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アイスランド捜索救助隊、ハイチの救助活動続く

連日の夜明けから日暮れまでの生存者の捜索活動でメンバーは疲れてはいるが、チームの状態はよくハイチからの感謝の思いのみを感じている。まだ瓦礫の中から生存者の発見が続いている。望みがある限り捜索を続ける、と隊員はいう。

震源地近くのLéoganeは壊滅的で生存者の発見はなく、メンバーはけが人の治療の手伝いをした。昨日はアメリカチームと首都の捜索を行ったが生存者の発見はなかった。

チームの帰国は木曜の夜に予定され、帰国準備が始められている。アイスランドのコーディネーターによると生存者が発見されなくなって48時間が経過した時点で生存者の捜索活動を中止することになっているという。

18日夜ボランティアがアイスランド赤十字のハイチに派遣される医療チームのために1000箱ほどの最初の救援物資を箱詰めした。計画では救援物資を輸送した飛行機で捜索救助隊は帰国する。飛行機には、作業ルームに使われるエアコンはじめ医療機器等も積み込まれる。

アイスランドではハイチ被災地救済のために、これまでに3つの団体のチャリティー募金で約3000万クローナ(24万ドル)が市民から集まっている。

ICE-SARのホームページによると、19日アイスランドチームはボランティアメンバー全員の意思でUN職員と家族たちが暮らしていて、今でも200人あまりが生き埋めになっているというホテルの捜索を志願した。難しい任務ではあるが、自分の家族や友人を探す思いで捜索しているという。これがハイチでの救助活動の最終日となり、明日は帰国準備に入る。

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14日ICE-SARの生存者救出場面。写真はICE-SAR提供

ICE-SARはアイスランド捜索救助協会に属する海外でも高い評価を受ける特別チームで、35名のすべてボランティアから構成され、アイスランド危機対応グループに名を連ねています。

アイスランドはその多様な地形のために、火山の噴火、雪崩、海難事故、地震等ありとあらゆる災害に対処しなければならない国です。軍隊を持たないアイスランドでは、独立した組織として捜索救助活動から災害防止教育まで幅広く行う団体としてアイスランド捜索救助協会(ICE-SAR)が組織され、数千名のボランティアが働いています。

たくさんの恩恵を与えるアイスランドの豊かな自然はけして人間にいつも優しいわけではありません。日常生活でさえ、強大な自然の力との闘いになることがあります。その自然と向き合い、うまく付き合う為に、自衛手段として組織されたものなのでしょう。だからアイスランドは災害に対する支援の意識が高いのでしょうか。数千名のボランティアといったらアイスランドの人口(大人)の2割?

特にICE-SAR救助隊は消防団のようにアイスランド国内100箇所以上3000名あまりがボランティアでいつでもスタンバイしているとのこと。アイスランドで万が一災害に見舞われたときはきっとお世話になる皆さんです。

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アイスランドの水、ハイチの被災地へ(IcelandReview)

瓶詰め工場を経営するアイスランドの会社Icelandic Water Holdingが3トンのボトル入り水をハイチへ発送、さらに何千箱か追加発送の用意があるという。

外務大臣は700万クローナ(56000ドル)をハイチにいる国連の世界食糧計画に寄付することを発表。ハイチでは食料、医療、住まいが極めて不足している。

アイスランドの捜索救助隊は現在イギリスのチームと共に震源地に近い都市Léoganeで活動中。40キロを移動するのに90分かかるという。ヘリコプターで上空から視察した隊員の報告では、すっかり町は瓦礫と化し、たくさんの人がただ路上で生活していて、日光を避けるために自分を覆う小さなテントや布きれがあるだけ。支援物資の供給や支援体制はいくらか良くなってきたが、解決しないといけない問題が次々に起こっている、とコメント。輸送手段が不足し、通信手段が制限されている為、捜索救助活動が困難になっている。

アイスランドチームは初日14日にポルトープランの市場で捜索を行い3名の救出に成功したが、その後の生存者の救出はない。瓦礫の中で生存可能なのは地震発生より6日間、すなわち18日午後までと言われている。アイスランドの捜索救助隊は、18日午後までにその都市の、人がまだ埋もれているという瓦礫をすべて捜索するとの意気込みで活動を続けている。

地震発生の火曜日からこれまでに70名以上が救出されているが、10万人が命を落としたとアイスランド紙Fréttablaðiðは報じている。

Icelandic_water アイスランドチームは最初にハイチに到着した海外の救助隊の一つ。今朝のテレビ報道によると、最初に(発生より1日)到着した国はアメリカとプエルトリコとアイスランド。アメリカとプエルトリコは近いからわかるけど、アイスランドのこの対応の早さには、アイスランドファンながら感動shine。また、捜索救助隊を乗せてハイチに飛んだチャーター機は、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツなどの外国人の国外退去に協力。

アイスランドでは赤十字とSave the Childrenがハイチ支援のための募金を開始、最初の24時間で900万クローナ(72000ドル)が寄せられています。

がんばれハイチ!がんばれ救助隊!

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ハイチ大地震にアイスランド国際捜索救助隊派遣(IcelandReview)

12日にハイチ南部で起きた震災の救助活動参加のため、外務大臣はアイスランド国際捜索救助隊を派遣した。すでに13日午前10時(日本時間19:00)に出発、現地時間午後4時(日本時間14日6:00)には到着予定。

チームは完全に装備し7日間自給自足での活動に備え、工具や機器など10トン、水、テント、先進通信機器、浄水装置など3トンを持参、外務省は説明。

アイスランド国際調査救助隊は、トルコやモロッコなどの大地震に伴う救助活動で豊富な経験を持つ。このチームはINSARAG(国連人道問題調整事務所の下にある国際捜索救助諮問グループ)に認定された中規模都市捜索救助隊。

ハイチ当局はアイスランドの早急の対応を歓迎している。

Haitiis_2  悲惨な地震になりました。地震発生は12日午後5時(アイスランド時間12日午後10時)、一刻も早い援助が求められる中、夜を徹しての準備で12時間後には出発した援助隊。外務大臣も一緒に奔走したようです。彼らの活躍とハイチの方々が一人でも多く救出されることをお祈りしたいですね。

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童話作家ノンニと日本の子供たち~展示会・朗読会開催中

Nonni アイスランドの世界的童話作家ノンニの展示会が横浜市栄区本郷台「あーすぷらざ」で開催中!

アイスランド童話作家ヨーン・スウェンソン(ノンニ)は、昭和12年、80歳で来日。「第二のアンデルセン」として話題になりました。その生涯を写真パネルで展示、また朗読会を開催します。(かながわ国際交流財団あーすぷらざHPより)

生きる喜びと世界の平和展:
日本、アイスランド、ドイツ
~童話作家ノンニと日本の子どもたち~展示会・朗読会

■日 時:
【展示会】
•2010年1月11日(月,祝)~17日(日)10:00~17:00

【朗読会】『ノンニとマンニのふしぎな冒険』 語り:茨木啓子
•1月17日(日)11:00~12:00、14:00~15:00

■場 所: かながわ国際交流財団・あーすぷらざ 3階・企画展示室
■定 員:朗読会は先着30名
■申 込:事前申し込み不要
■参加費:無料
■問合せ:
(内容について)自然環境と人間生活を考える会(わたなべ)
TEL:090-4710-3790
(会場について)あーすぷらざ
TEL:045-896-2121
○主催:NPO自然環境と人間生活を考える会
○共催:(財)かながわ国際交流財団、ノンニ博物館(アイスランド・アークレイリ)
○後援:神奈川県教育委員会、在日アイスランド大使館、日本アイスランド学会、(財)日独協会

ノンニを知ること・紹介することも経済危機で揺れるアイスランドを誇らしく、応援することだと信じています。

Nonnahus_s

企画は前駐アイスランド大使の渡邉奉勝氏。「けして幸せな境遇でなかったのにもかかわらず、人々に希望を与え勇気を与える為に童話を書いたことに感動」と、在任中にノンニに魅せられ、来日後はノンニ展の企画・開催に奔走されていらっしゃいました。

ノンニの人となりはぜひ会場に足を運んでご覧いただければと思いますが、行かれないかたは以前のブログのこちらにささやかなご紹介をいたしました。

2008年9月2日にノンニが幼少期を過ごしたアクレイリの今はノンニ博物館になっている家を訪ねました。ノンニ博物館は冬(9月以降)は閉館でしたが、同年10月に池袋の自由学園で開催されるノンニ展に赴き紹介をする、というブリンヒルズルさんがいらして、わざわざ開けてくださいました。なにか不思議な運命を感じました~。

Nonnibooks_2 写真は上から昭和13年 ノンニと帝塚山学院の生徒(ノンニ博物館に展示されていました)、ノンニ博物館(ノンニが14歳までをすごした家)、ノンニが日本に旅したときのことを書いた「Nonnni in Japan」ドイツ語の旅行記などノンニの著書。

そしてアクレイリの入り江を見つめて立つノンニ像。どこか寂しそうに感じるのは私だけでしょうか。(後ろの赤い壁の家の裏がノンニ博物館)

Nonni_akreyri_2 

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アイスランドはIcesave返済を保証する責任はない?!

1月8日権威あるファイナンシャル・タイムスで、「アイスランドは全額返済しなければならないという明確な法的義務はない」とイギリスとオランダとのIcesave合意についてケンブリッジ大学教授、ローターパクト国際法研究所のミッシェル・ワイベルMichael Waibel博士は書いている。

イギリスは法廷で重大な障害に突き当たるであろう。勝訴する確率は60%未満。しかもそこで手にするのはこの和解で得る以上のものにはならないだろう。」ワイベル博士は論じ、イギリスとオランダが「IMFやその他のところで政治的力を使って最大に有利な方向に持っていこうとするよりは、妥協のための誠実な意欲を見せ始めることをおすすめする。」

Icesave法案の成立には、法的にOKなのか、イギリスやオランダに対して訴えることもできるのではないか、など、確認を行う作業をしていた、はずでしたが、ここにきていろんな法律に関する情報がでてきて、いったいなあに?という思いになります。

マスコミは一面しか光を当てないことがあるので完全に信用できませんが、いろんな意見が面白かったので、IcelandReviewの記事を載せました。

アイスランドの特別検察官のコンサルタントとして働いているノルウエーフランス治安判事のエバ・ジョリーはオランダの新聞で、「オランダとイギリスはアイスランド人に対して傲慢。アイスランドがIcesaveで要求されている金額を払えっこないことは明確。」と述べている。 Icesave法がよりどころとしている欧州方針の執筆者と会談し、その方針は国全体の銀行の破綻に対して適用することを意図していない。と彼女に表明している。

「すべての銀行機能が破綻したとき、預金・投資家補償基金は適用されず、他の資金を見つけなければならない」。と法学教授Stefán Már Stefánssonと最高裁判所の弁護士Lárus Blöndalはフランスの銀行取引委員会の報告に基づいて調査し語っている。

さらにジョリーは、法律には私的銀行(ここではLandsbanki銀行の)の預金を保証する義務について国の保証をつけなけばならないということはどこにも書いていない。だからアイスランド当局は国際調停を立ち上げ、EUの協力を得てアイスランド論争を解決することを提案している。この問題はアイスランドの問題ではなく、ヨーロッパの問題でもあるからである。

オーラブル大統領は、この12月30日のIcesave法案が国民投票で否決された場合、前回可決し承認されたイギリスとオランダからの借り入れに対する国家保証に関する法案が発効するという考えである。

しかし、それもイギリスとオランダが承認しなければ発効しないという。

前回可決した法案とは、8月28日に議会で可決されたもので、一定の基準と前提条件に従って国家が保証をする、というもので、アイスランドが国際的義務を果たしながら、債務の持続可能性を確保する一方で、アイスランドが金融システムと経済を回復できるようにすることを目的としていたもの。これはイギリスとオランダに拒否され、今回の法案改訂になりました。

政治と経済ってほんとうに人為的な駆け引きなんですね。そしてマスコミも。第4の権力と言われますが、情勢を見計らって必要なインタビューをしたり、前にためていた記事をのせたり・・・罪を作っているか正義の味方か、神のみぞ知る・・・。そう悟らされる記事でした。

Icesave_home_2
Icesaveのホームページ・・・

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大統領が信じたアイスランド国民

いよいよ国民投票が準備されようとしています。

BBCの辛口インタビュアーが大統領にインタビューした番組がこちらから見ることができます。(私がすべてを理解できたわけではないのですが・・・)

これまでのアイスランドの歩みを振り返るビデオから、いろいろわかって面白かった。

アイスランドの経済を漁業から金融にスイッチしたのは前の前の首相のダビッド・オッドソン(金融危機の時にアイスランド中央銀行(日銀みたいなところ)の総裁、現在アイスランド最大の新聞社Morgunbraðiðの編集長?社長?)であったこと、Icesave口座には5.25%の利息がついたこと、破綻したときには1400億ポンド、アイスランドのGDPの10倍に相当する負債を抱えたこと、イギリスから法外のお金を持ち出したカドでアイスランドはテロリスト国家呼ばわりされたことなどなど。

とても心に残ったことがあります。インタビュアーは「国民を信じることができるのか」と大統領に質問していた。なるほど、国民を信じなければ国民投票を行うことができない。信じられる国民であるかどうかが国民投票を行う判断材料になるというのが、元祖立憲国家のイギリスの考え方のようですね。

大統領はいいました。「イギリスの最高権力は議会だが、アイスランドは国民である」だから国民に問うのだと。

昨夜発表された最新の世論調査の結果では、53%がIcesave法案を支持しています。つまり、議会が可決したIcesave法案の成立を支持するという。これは以前になされた世論調査が70%の国民がIcesave法案に反対、という結果と反対の結果がでたということになりました。

アイスランド国民がもし国民投票でIcesave法案にYesを表明し、一銀行が隣国に対して負った負債に対してアイスランド国民としての責任を果たすことを選択したら、世界の人々はアイスランドをどんなふうに見るようになるでしょうか。アイスランド人の最高の価値観「高潔」「誠実」「正直」にのっとって、ふさわしい判断をして欲しいものです。

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嵐の中でただ黙々と平安に草を食む牛や羊たちに、なぜかアイスランド人の姿が重なり不思議な感動を覚えたものでした。

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大統領、Icesave法案を拒否

1月5日、オーラブル・R・グリムソン大統領は記者会見で、Icesave法案を拒否することを表明。これを受け、アイスランドの法律に基づき、できるだけ早い時期に国民投票が行われることになります。

このことは海外のメディアからの注目を集めアイスランドの格付けがガタ落ち(*1)になったことは、すでに日本の新聞などにも掲載され話題になっています。

本来議会の決定に対する大統領の承認は形式的なもので、1944年の独立以来アイスランドの歴史の中でも拒否した例は1回しかなかったとのこと。アイスランド法では、大統領が拒否した場合、国民投票で過半数の国民の賛成を得てはじめて、大統領の拒否が議会で決定したものと同じ効力を持つことになります

今週末にも議会が召集され、現在ヨハンナ・シグルザルスドッテル首相が提出した国民投票についての議案を話し合い、Icesave法案に対する国民投票の実施方法等を決めることとなります。

オーラブル大統領(アイスランド人が名前で呼ぶように呼びましょう)が拒否した背景はなんだったのか?についてはいろいろと分析されていますが、特に誰かのアドバイスを聞いたわけではなく、「自分の意思で決めた」ようです。

大統領は2日に有権者の25%にあたる国民投票を求める署名を受け取り、6日には首相、財務大臣、外務大臣、経済大臣らと会談し、現在の状況を確認し国民投票になることを懸念しているという意見を聞いたようですが、Icesave法案反対派と会うことはありませんでした。62000名の署名の力が大きかったようです。

外務大臣は各国大使やIMF代表との会談で大忙し。IMF代表からの発表では「返済さえちゃんとできれば(provided that the program is fully financed)、 Icesaveの合意がアイスランドへのIMF経済安定プログラム(支援計画のことかな)の条件ではない」とのコメントをもらっています。

外務大臣は大統領が国民投票を選んだことがEU加盟申請に影響を与えないと考えているけれど、イギリスはどうもEU加盟の条件にIcesave問題を入れたいらしい。。。

(*1) フィッチレィティングスによると「アイスランド共和国の外貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)を「BBB-」(BBBマイナス)から「BB+」に、自国通貨建て長期IDRを「A-」(Aマイナス)から「BBB+」に引き下げた。両格付のアウトルックは「弱含み」である。同時に、同国の外貨建て短期IDRを「F3」から「B」に、カントリー・シーリングを「BBB-」(BBBマイナス)から「BB+」に引き下げた。」とのこと。私になんのことかさっぱりわかりません。

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可決されたIcesave法案の運命のカギは大統領の手に

昨年末可決したIcesave(アイスセーブ)法案は大統領の承認を待っています。しかしもし大統領が拒否権を発動すれば国民投票となり、Icesave法案は白紙撤回されることが予想されます。国民の約四分の一がIcesave法案に大統領がサインしないことを求める署名を行っています。回答期限が今日に迫り、果たしてIcesave法案の運命やいかに。。。

僅差で可決されたIcesave法案

33人の賛成、30人の反対(2人の与党議員が反対、1人の野党議員が賛成)、63名すべての国会議員が意思表明をして可決したIcesave法案。

Icesaveは、かつてアイスランドのランズバンキ銀行がイギリス、オランダで高い利子でていきょうしていたインターネット口座で、約30万の口座が開設されていました。しかし経済危機により破綻し、口座は凍結。このためイギリスはアイスランドをテロリスト呼ばわりし、国際的信用問題に発展。そこで登場したのが、貯金していたイギリスとオランダの預金者を、アイスランドの預金保証基金が救済できるように、イギリス、オランダがアイスランドに貸し付け、その莫大なローンの支払いを国が保証する、というこの法案。

前回可決したときは、返済期限を設けることやアイスランド経済が改善しなかった場合の救済措置などを盛り込んだ「条件付」のものでした。

しかし今回はその多くの条件が組み込まれないIcesave法案の可決となりました。この法案は大統領のサインによる承認で成立となるところです。

国民投票をもとめる四分の一のアイスランド市民

1月2日には法案成立に反対するInDefenceというグループが56000人分の署名を持って大統領と会見し、法案を承認しないように要請。その署名は1月4日現在で有権者のほぼ25%、62000人に達しています。

Iceseve法案の運命をにぎる大統領

現在大統領は思案中。ここまで決断を延ばした例はかつてなかったとのこと。前回この法案が国会で通過したときには大統領は、条件がついていたから、という「条件付」で承認。しかし今回はその条件の多くがなくなり、さらに国民の世論がプレッシャーに。大統領は自分が貫いた意志に矛盾することなく、このIcesave法案を拒否するのか、それとも、あれは口だけだったということを示すのか??と、大統領の取った判断そのものもプレッシャーに。

承認すれば法案成立、拒否すれば国民投票。しかし、もし国民投票となれば、Icesave法案は否決されるものと誰もが予想しています。すなわち大統領の決定がIcesave法案の実現を左右することになります。

国会議員の声

IcelandReviewでは次の国会議員の発言、コメントを掲載していました。

独立党(野党)党首Bjarni Benediktsson:「政府は、法的判断抜きに、私的企業の負債をアイスランド国家の負債にしようとしている。アイスランドはこの法案にノーと言うと、イエスと言うより国際的に悪い立場に立たされるという主張に、とにかく反対したい」

進歩党(野党)党首Sigmundur Davíð Gunnlaugsson:「国民は絶対に賛成しないのがわかっているので、何とかして国民投票にもっていかないようにしようしている」

市民運動党(野党)の議員Birgitta Jónsdóttir:「この法案が可決したら社会の基盤が崩れてしまうこと、。市民はいやになって国を離れることを恐れています」

Jóhanna Sigurdardóttir首相:法案を可決しないことは「危険なゲーム」である、また数週間、数ヶ月可決を延期する選択肢もない。これも危険なゲームである

財務大臣、レフトグリーン党リーダーのSteingrímur J. Sigfússon:反対派はアイスセーブ合意に対して構えが固い(hard-boiled)よ。来年以降経済は改善していくと固く信じており、「そう信じなければこの立場には立たないよ」

Icesave法案可決によって前回はIMFが貸し渋りを止めたし、これがなければEUにも入れてもらえない。ほんとうにアイスランドはIcesave法なしに国際社会復帰は難しいのか、という意見もありましたねぇ。私的企業の負債を国が負うことの是非は別にして、国の責任を果たすのか、市民の生活を守るのか、どこの国もそういう岐路に立たされることがあるんですね。ごめーん許して、というわけにはいかない、ですよね。。。

詳細は(確実なこと!!は)IcelandReviewこちらからどうぞ。

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Gleðilegt Nýtt Ár! (新年おめでとう!)しかしIcesaveが・・・

アイスランドはクリスマス休暇が終わって12月28日から議会も再開、Icesave補償に関する法律が30日深夜に僅差で可決。しかし翌日大統領が議会の決定を支持するサインを断った!というニュース速報が31日に入り、新年は良いお天気だったようですが、アイスランドの行く手には暗雲立ち込め・・・。

2日には大統領がIcesave補償法の可決に反対する市民グループと面会するということ、その進展などを含めて後日お知らせしたいと思います。

なにはともあれ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

Nyar
これは某年1月1日の新聞の一面を飾った写真。さぶっ・・・

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