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2009年11月

アイスランドの新税法(IcelandReview)

11月18日に発表された新税法が波紋を呼んでいるようで、がんばってチェックしてみました。怪しいと思われた方は是非こちらを参照してください。

所得税についての変更
月収(kr=クローナ)        税率
65万kr(46万円)超         46.1% ①
20万(14万円)~65万kr      40.1% ②
20万kr(14万円)未満        37.2% ③
11.9万kr(8.4万円)以下      非課税

※新税法施行後の家庭及び個人の税金の増減例
  月収(単位:クローナ)      税金 (増減)
 Single_s_3  シングル 180000     20077 (-2000) 
 (③の場合)
 Couple_s  夫婦 350000×2  180691 (+4701)
 (夫婦どちらも②の場合)
 Couple_s_2 夫婦 700000×2  467291 (+31001)
 (夫婦どちらも①の場合)

消費税についての変更
一般消費税                 24.5%→ 25%
砂糖税(お菓子、ビスケット、ケーキ、ドリンク) 7% →14%
 (→こちらは2010年に入って取り消し)
一般食料品                 7%(現行のまま)
書籍                     7%(現行のまま)

エネルギーについての課税
ガソリン・ディーゼル           5kr/ℓ 
エネルギー・天然資源及び環境税  0.12kr/kwアップ          

■その他の変更(New!11月24日議会承認
アルコールとタバコ類は税金が10%引き上げ(アルコールは1年で42%アップ)
自動車税は2010年1月1日から、10%引き上げ。
いくつかの登録や許可申請に対する関税も平均50%アップ。
砂糖を多く含む食品、ノンアルコールのドリンク類、およびカフェやレストランで提供するケーキやお菓子、ドリンク類にも2010年3月1日から14%の間接税。(→こちらはその後廃止)
 

元になった記事は以下の通りです。

18日に政府が来年年頭より導入する税制を発表。増税感を与える税制となる。

3段階の所得税が採用され、月収が65万クローナより多い人は所得税として46.1%を支払うことになる。

首相は「税金がかなり上がったとしても、より公平な課税システムを確立しつつあることを確信しています。それはより等しく負担を分配し、現在の課税システムよりもっと適正でフェアになります」と語る。

20万クローナより低い月収には課税率37.2%のままだが、20万~65万クローナの月収を稼ぐ人は税金として40.1%支払うことになる。さらに、非課税の制限は11.3万クローナ(1600ドル、1100ユーロ)から11.9万クローナに引き上げられる。

これは月収18万クローナの人は現行システムの税金より2000クローナ安くなり、22077クローナから20077クローナになる。

月収35万クローナずつ稼ぐ夫婦は2人で4701クローナ高い所得税を支払うことになり、175990クローナから180691クローナにアップする。

月収70万ずつ稼ぐ夫婦は、2人で31001クローナ多く払うことになり、436390クローナから467291まで増税になる。

その他の税金も上がる。たとえば、ガソリンやディーゼルの1リットルあたりの価格は来年から5クローナ(USD 0.04, EUR 0.03)上がることになる。

さらに付加価値税システムも変わる。一般消費税は24.5%から25%に上がる。新しい14%の課税段階が、お菓子、ビスケット、ケーキや多数のドリンクに適用され、現在の7%から増税になる。しかしながら一般の食料品に対する消費税は7%のままである。

商業サービス連盟(the Federation of Trade and Services)の会長は、この新しい消費税法に不満をもらした。何が反対かというと、この消費管理よ。何人かのたまたま居合わせた人たちに、りんごを食べるのかビスケットを食べるべきかを決定して欲しくないわ。すべての食品は同じ課税段階にしてほしい。と彼女は語る。

新しい炭素関税(carbon tariff)は年間で25億クローナ(2000万ドル、1300万ユーロ)をもたらし、新しい、エネルギー・天然資源及び環境税(1キロワットにつき0.12krだとおもう)は19億クローナ(1500万ドル、1000万ユーロ)をもたらす。
重工業部門は最大の貢献をして、年間合計16億(1300万ドル、900万ユーロ)の貢献をする。

給与税(payroll tax)は1.6%資本税(capital ta)は3%、1.25%の特別資産税(special asset tax)は1.2億クローナ以上の資産を持つ夫婦に、0.9億クローナ以上の資産を持つ個人に導入される、

新しい資産税は30億クローナを国庫にもたらすことになる。

全体でこれらの課税変更は現行の歳入より500億クローナ(4億ドル、2.7億ユーロ)増えることになる。

進歩党の党首Sigmundur Davíd Gunnlaugssonは、歳入の増加は楽観的だ、同時に最も厳しいときに家計や企業も直接間接に負担することになる。間接的と言うのは、高額商品はローンが高くなり、この対策は大量移住を促進し、海外資本や外国人観光客の来氷を妨げるからだと、推論している。
これらのすべての犠牲はただ、Icesave預金を払い戻してEUを喜ばせておくために利用する、ローンの利息を支払うのに十分なだけの金額を積み上げる為に払われるのだ、とGunnlaugssonは主張。

独立党の党首Bjarni Benediktssonは同意で「他の解決策も提案したのだ。だから、我々が認識を高めてきたほかの選択しがあるときに、なぜ政府がこの方向を選んだのか理解できない。」 代案の一つは、年金積み立てへの一時的な資本課税である。

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車は化石燃料より電気がお徳(IcelandReview)

レイキャビク近郊の7つの自治体を一纏(ひとまと)めにして"Greater Reykjavik(大レイキャビク)"と一つの都市のように称されることがあります。レイキャビクだけで約12万人で、人口の三分の一をしめているのに、隣接のコーパボーグル(約3万人)、ハプナフィヨルズル(約2.6万人)など、ここに合計約20万人、人口の64%が生活していることになります。それが行ったり来たりすれば交通渋滞も起きますね。

Greater_reykjavik

地図の赤いところがGreater Reykjavik(大レイキャビク)地域

かつて人口が少ないので渋滞もない(95年ごろ)wink・・・という印象だったアイスランドも、レイキャビクの郊外にどんどんベッドタウンが広がり、今では4時半ごろから酷い渋滞で、早く目的地に着きたいとどんなに願っても、絶望的に無理bearing。おまけに澄んだ空が排気ガスでくすむとは、レイキャビクにはあるまじき環境破壊sad。。。その解決に朗報です。

070905traficjam_2
レイキャビクの交通渋滞。左にいくとコーパボーグル。まっすぐ行くとレイキャビク。

レイキャビク市の運輸部長は19日の会議で、首都の居住者の半数が化石燃料(ガソリンやディーゼル)の替わりに電気を使用した場合、毎年最大540億クローナ(4300万ドル、2900万ユーロ≒38.3億円)の節約になる、と発表(毎日1049万円の節約!)。

電気は化石燃料のたった10%しかかからない、つまり60億クローナ(4800万ドル、3200万ユーロ)に対して約6億クローナぐらいだろう、と説明。

政府も18日に発表した新税制システムで、ガソリンとディーゼルの価格についての増税を発表している。

運輸部長によるとレイキャビク市の方針市民の健康、環境及び首都全体の雰囲気を損なわない運輸を保証している。そして人口密度の増大はさらに多様な交通手段を支持するだろう、と指摘している。

また、より小型の車両が普及し、車両にはより小さな駐車スペースとより大気汚染の少ないものが求められるとともに、電気、メタンおよびエタノールのようなアイスランドのエネルギー資源を使用可能にするものとなるであろう、と語っている。

早く電気自動車がお手ごろに手に入り、便利な燃料供給システムができるようになって欲しいものです。それにしても、そろそろ路面電車とか、トラムとか、出てきてもいいかもしれない、と個人的に思います。

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アイスランドのはじまりとインゴルブルとアイスランド航空

唐突なタイトルですが、アイスランドの最初の入植は、これまでインゴルブル・アルナルソンがアイスランドに渡った874年であったとされていましたが、最近の考古学的研究からさらに200年ほどさかのぼる670年頃だという結果が発表されたようですね。(2009年11月5日のIcelandReviewの記事

Landsfundir_4 

 
インゴルブルの前には、アイルランドのカソリックの僧侶が「祈るため」にアイスランドに入植していたけど、なにかの理由でいなくなったようです。アイスランド人に言わせると、子孫を残せなかったので絶えたとか。。。

上の絵は1994年(独立50周年の年)発行の切手で、"landafundir"とはたぶん国の発見者という意味かな。。僧侶たちが入植したことを表しているようです。絵柄からは天変地異が起きて島を脱出した、みたいに見えますが。

インゴルブルはノルウェー国王の圧制に耐えかねて飛び出した独立心旺盛なバイキングみたいなものですから、聖人たちが最初にアイスランドを発見し祝福した、というほうが感じがいいのかもしれません。

さて、今年になってアイスランドに行った方は、思い当たると思うのですが、このインゴルブルには、ひょんなことでアイスランド航空の機内で出会いました。

経済危機以降、飛行機のサービスもすっかり簡素化され、支給されたのは、一杯のコーヒーとナプキンとemmessのアイスキャンディーだけでした。長い旅路の果ての歓迎にしては寂しいsnowと思っていたときに目に留まったのが、ナプキンに印刷された文字。

090423islandair_nap_3   
最初の部分には、「インゴルブル・アルナルソンは最初のアイスランド入植者で、それは1100年以上も前のことだった。」とあった。なんと唐突な、しかし、1100年という時を越えて、新天地に人生を賭けたインゴルブルに思わず思いを馳せてみたくなる。

すると2節目、「彼のノルウェーからの旅は4日間にわたり、ナプキンもなかった。」と唐突に締めくくられていた。そう、確かに彼にはナプキンも温かいコーヒーもemmessのアイスキャンディーもなかっただろう。

ナプキンがなくてもひたすら彼の地を目指したインゴルフルの情熱を、アイスランドを愛するものが忘れてはいないだろうか、と、襟を正される思いがいたしました。はいcoldsweats01

インゴルブルはさておいて、ナプキン一枚におもてなしの思いを込めたかった彼らの思いやりに、なんだか胸を打たれましたshine。ナプキンしか出せなくなった経済事情とアイスランドへの客をもてなしたいという思いの狭間で苦悶した人がいるんだろうな、と。

090423islandair_s_2   また、コーヒーを入れて出してくれた紙コップには、「アイスランド語にはコップを表すのに14個の単語がある」とずらりと単語が印刷されていました。

たとえナプキンと紙コップであっても彼らはアイスランド人の誇りを示すことだけは忘れていませんでした。

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アイスランドは今でも世界で最も腐敗していない国の一つ(IcelandReview)

アイスランドは2005年、2006年は堂々の1位に輝いた世界で最も腐敗していない国(world’s least corrupted states)でした。ここ1年の様変わりにも関わらず・・・sunという感動が読み取れる記事です。

世界の異なる国の腐敗レベルの新しいリストが、国際透明性協会(Transparency Internationalなんと訳そうか)によって発表され、それによるとアイスランドはまだトップテンに入っている。アイスランドはオーストラリア、カナダと並んで8位である。

この3カ国はゼロから10までが示す完全に腐敗したレベルから全く腐敗していないレベルまでのうち、8.7の位置にある。トップの国はニュージーランド、デンマーク、シンガポール、スウェーデン、スイスであり、もっとも腐敗度の高い国がソマリア、アフガニスタン、ビルマ、スーダン、イラクである。

「世界の中で腐敗が全く起こらないといえる国はない」と国際透明性協会の報告は書いている。

この組織は、豊かな国に対して、預貯金の秘密保持についての規則を変更し、自分たちのビジネスを秘密にしたいと願う腐敗した個人のための隠れ蓑にならないように働きかけている。(アイスランドの銀行もこの目的で使われていたと指摘する者もいる。)

このリストはここ2年間で10の機関で行われた13の意見投票に基づいている。各国の専門家や影響力のある人たちはそれぞれの国における腐敗のレベルについて質問される。

最近のアイスランドの調査では、国際透明性協会のランキングで出た結果よりはるかに国の行政の腐敗度は高いと国民は評価している。(67%が腐敗がひどいと言っている

国際透明性協会のウェブサイトはこちら

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アイスランドの最も重要な価値観は「高潔(Integrity)」(IcelandReview)

久しぶりのブログで、たびたび訪れてくださる方には申し訳ありませんでした。

アイスランドらしい誇りある集会shineが国民を上げて開かれました。無作為に選ばれた1200名を越える人々がアイスランド全土から、レイキャビクに集まり、朝の9時から夜のミートスープのごちそうで終了するまで、会議が行われた。朝の苦手なアイスランド人(わたしの偏見か?)、今頃はきっと朝9時は薄暗いのに、よくがんばりました、とその熱い想いに拍手を送りたくなりました。遠方よりの参加者には無料で飛行機のチケットが手配されたり、かかった経費は2700万クローナ(21.7万USドル)、700万クローナは政府が寄付してくれたとか。主催は「アリ塚」という草の根市民グループです。

11月14日土曜日にレイキャビク、ロイガダルスヘット(Laugardalshöll)スポーツアリーナで開催された、アイスランドの第1回「国民議会(Þjóðfundur)」*1の約1400名の参加者は、アイスランド社会の最も大切な価値としてもっとも多く言及した価値は、Integrity(高潔、誠実、正直)である。

平等Equality、尊敬respect、正義justiceも頻繁に語られ、続いてlove、責任responsibility、自由freedom、持続可能性sustainability、そして民主主義democracyと続く。家族family、そして信頼trustも優位であった。と国民会議ウェブサイトで発表されている。
Nationaassembly_jp
会場で集計され巨大スクリーンで発表された最初の結果。大きな文字ほど多くの人の支持を得た価値観を表している。(日本語は私が入れました)

このイベントの目的は国(国民)に社会の基本的な価値観と未来へのビジョンを話し合うよう働きかけることであった。

「これは偉大な経験であり、招かれて参加したことを誇りに思っている」、と参加した女性Erna Arnarsdóttirは語る「異なるバックグラウンドの人々と出会い、とても共通点が多いのを見つけるのはとても楽しかった。みんな国を建て直し、子供たちに明るい未来を創りたい」と語り、さらに「この結果が功を奏することを願っているだけです。私は確かに社会に影響があると信じてますよ」と加えた。

男性の参加者Matthías Björnssonは「これはいい、必要な集まりだった。社会ではあまりにいろんなことが起こります。今最も大切なことは、公正な社会(a just society)を建設することです。」彼は、過去数年、不道徳が受け入れられてきたので、国は一緒に道徳について話し合うことが大切だとわかったという。「でも、国の独立についてもっと話し合ったらよかった」と付け加えた。

参加者は、ほとんどが無作為選択によって招かれたものであったが、162のグループに別れた。これらのグループはその社会的な肩書き、会社、組織、議員、政府の代表者であることで招かれた人たちも含まれていた。

例をあげると、参加者の中には、財務大臣、環境大臣、独立党の党首などもいた。彼らは他の参加者と同様に話し合いに参加し、同じテーブルには着かなかった。

もっとも多く語られた価値は今後の詳細の話し合いのために9つのテーマを創るのに使用された。これは社会の柱を表す、教育、経済、福祉、環境、行政、持続可能性、家庭、平等、その他、である。

国民会議で言及されたすべてのアイディアは登録され、公表される。参加者個人を特定することはできないが、問題の参加者の年齢、性別、居住地域が記され、それらは社会研究のために使用することも可能である。

*1 国民議会 (Þjóðfundur  = þjóð国の+fundur集会)英語ではNational Assembly
発音は「しょうずふんどぅる」。正確には「しょうず」の「し」はthinkのth、「ず」はwithのth、「ふんどぅる」の「ふ」はもちろんfiveのfの発音をあてるべし。

国民会議の様子(写真付)や、結果をまとめた英語のサイトはこちら。ちなみに次の日はひどい天気で、摂氏3℃、日の出は午前9:54、日の入りは午後4:27だったそうです。

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